枕草子のはじめ
「 春はあけぼの。
やうやう白くなりゆく山際、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は夜。
月の頃はさらなり。
闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。
雨など降るもをかし。
秋は夕暮れ。
夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて、三つ四つ、
二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。
まいて、雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。
日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。
冬はつとめて。
雪の降りたるは言ふべきにもあらず、
霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、
火など急ぎおこして、炭持てわたるも、いとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白い灰がちになりてわろし。」
学生の時は、国語は苦手でした。
古典も苦手でした。
ただ有名な、「枕草子」や「徒然草」、「平家物語」のはじめだけはうろうろながら覚えています。
その中でも「枕草子」の最初にある季節をあらわしたところが好きです。
読んでなんとなく雰囲気がわかる程度ですが、
各季節を一日の中であらわしている点が面白く。
また、それがよく合っているように思えます。
「春」は夜明け前。「夏」は夜。「秋」は夕暮れ。「冬」は早朝。
10月になって秋めいてきて、
秋の夕焼けを見ると、「秋は夕暮れ」という文だけを思い出します。
つづいて「春は曙」と出てきます。逆ですね(笑)
秋の雲が夕日に染まる空模様は、見ていてあきません。
昨日も事務所の窓から見えた夕方の空を見て、夕日に染まった雲がゆったりと空に浮いているのが見えました。
屋上に上がって写真を撮りました。
見た目通りには撮れませんでした。
まだ、低い雲もありますが、その上にある「巻籍雲」と思われる雲。
低い雲と高い雲が夕日に染まり、秋を感じさせてくれます。
いい感じだと思いました。