中央自動車道・笹子トンネル(山梨県)の天井板崩落事故には驚きました。
今まで安全だと思っていたもので、あのような事故が起きたのですから。
高速道路を走っていると必ずといっていいほどトンネルを通ります。
山地が多い日本、高速で走れる道を作ろうとするとどうしても、
トンネルを作らないといけなくなります。
そのトンネルでの事故です。
安心して高速道路を走れなくなりますね。
トンネルの構造自体は問題なかったようです。
「笹子トンネル(山梨県)」の事故の原因は老朽が原因だとも言われています。
日経新聞に
「老朽インフラ どう維持すべて更新なら年8兆円試算 『必要なもの選別を』」
という記事がありました。
中央自動車道・笹子トンネル(山梨県)の天井板崩落事故は、老朽化したインフラの危険性を浮き彫りにした。専門家は「危ない道路や橋は少なくない。今回の事故は氷山の一角」と警告するが、社会インフラ全体を単純に更新しようとすれば、年8兆円もの巨費がかかるとの試算も。造るだけでなく、どう整備・維持するかが厳しく問われている。
1960年代から1990年代にかけて、多くの橋梁がたくさんあって、
それが、メンテナンスできず、崩れる可能性がある橋梁があるという話を
数年前に聞いたことがあります。
さらに、次のような現状もあります。
国内に約70万ある橋梁も、60年代半ばから90年代前半にかけて造られたものが多い。全国に約15万7000カ所ある全長15メートル以上の橋梁のうち老朽化で通行止めとなっているのは217カ所(4月時点)。重量制限などを設けているものも合わせると4年前に比べて1.7倍に増えた。
日本の橋梁の現状は
・15m15.7157,000・全国の橋梁における築後50年以上割合は9%存在(2011年時点)10年後(2021年)には28%、20年後(2031年)には53%
・自治体管理の橋梁における築後50年以上の割合は10%存在(2011年時点)10年後(2021年)には28%、20年後(2031年)には54%
(「日本の橋梁の現況」)
橋梁の寿命は50年といわれているようです。
これも適当に管理されている場合のようです。
20年後には、自治体管理の橋梁の半分以上が築50年以上になります。
現在築50年以上の橋梁は70年以上になります。
上記の状況からして
財政難の地方公共団体がこれから増えて続ける老朽化した橋梁の管理をどうするか、
放置されると利用できない橋梁が増え、人々の生活に大きな影響を与えます。
今回の「笹子トンネル(山梨県)」の事故で中央自動車道が使えなくなることで、
物流にも大きな影響が出るといわれています。
トンネルや橋梁ができることで、そこに人の生活と物流の道ができます。
それが使える事が前提での生活や仕事が生まれます。
どれだけ管理されているのでしょうか?
橋梁の管理の状況は
地方自治体1,757団体のうち、点検(定期点検及び緊急点検を含む)を実施している
自治体は、H24.4時点で、1,618団体(92%)。
○都道府県: 47団体のうち、全自治体で実施(100%)
○政令市: 19団体のうち、全自治体で実施(100%)
○市区町村: 1,690団体のうち、1,551団体で実施(92%)
管理ができなり団体の理由としては、
●予算が確保できない
・実態を把握していないので、財政部局等に点検の必要性が説明できない。
・点検に対する補助制度がない。
●技術が不足している
・点検基準、ノウハウ、機材がない。
・外部委託のノウハウがない。
・点検を行うあるいは結果を評価する技術者がいない。