いまこのときが大切

日々気になったこと、興味を持ったことを綴っています。

「消費税還元セール」禁止・政府の「賃上げ要請」から

 近所の桜の蕾もほころび始めました。
開花しているのもあります。

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今年は関東の方の桜が早かったです。
東京や神奈川では桜満開のようです。
大阪は見ごろまでは少しかかりそうです。

 

「消費税還元セール」禁止・政府の「賃上げ要請」から

昨日、政府が「消費税還元セール」の禁止を盛り込んだ中小企業が増税分を商品価格に適切に上乗せ(転嫁)できるようにする消費税の転嫁対策特別措置法案が閣議決定されました。来年の4月とに消費税が上がる時に、「消費税還元セール」と称してセールを行い、その還元分を立場の弱い下請けに負担を強いることを防ぐ為です。
私が知らないだけかもしれませんが、政府が表立って、このような企業の経済活動に口をはさむようなことをするのを初めて聞きます。
安倍政権は、色々と景気対策のために、今までの政府がやってこなかったようなことをやっています。その他にも経営者に賃上げ要請をすることもやっています。

経営者に賃上げの依頼は、総理の要請を受けて一部の上場企業では、賃上げが行われそうです。その賃上げは下請けに負担させるということがないように願います。
賃上げは、毎年今の時期に、「春闘」で労働者側と経営者とが話し合って決めていたものです。労働者は言い分が認められないと、ストなどをして、実力行使をして、経営者に条件を認めさせてきた時期がありました。まさに、闘いでした。「春闘」という名の通りでした。それが、最近の日本では、ストライキという言葉を耳にすることがなくなりました。「春闘」という言葉だけがのこり、闘いではなくなったような感じです。
もし、日本の国内でストを行った場合、その間に他の人に仕事をとって変わられたり、会社内での待遇がかわって、いずれは辞めなければならなくなるように追い詰められる可能性があります。さらに、ストをしたという経歴が会社をやめた後も再就職がしにくくなるというリスクも負います。今はストをすることが難しい環境であるように思います。

そこで、政府が経営者に要請をするということになったのでしょう。


日本が変わる時は、外圧がありました。江戸時代の黒船、昭和の戦争と、外部からの圧力がありました。それがないと、日本は、表面的にでも、態勢を変えることができませんでした。日本人は辛抱強い人種でかつ変化をこのまない人種なのでしょう。国だけでなく、企業も同じです。外圧がないと変われない。今回の総理からの要請は、外圧というほど、強い圧力ではありません。総理大臣がからの要請という圧力であれば、無碍にはできません。総理大臣の要請というトップダウンに近いものですので、社内のコンセンサスも取りやすかったと思います。そういった圧力があって初めて、変われる日本の組織は、社会自体の閉塞性もあるではないかと思います。ムラ社会の国家です。形は外に門戸を開いているようですが、人的には開けていないといってもいいかもしれません。立場の強いものが、立場の弱いものを支配する社会、日本の社会の根本はいまだに江戸時代かもしれませんね。ボトムアップで組織を変えることが難しい国になりました。

今、安倍総理が行っていることは、日本人に政府への依存心や期待を高めることになっていくかもしれません。信頼するということとは別です。そうなると、政府のすることが多くなっていき、本来、政府がしないといけなことへの注意力が散漫になってしまう可能性もあります。

 

政府があまり介入しすぎると、細かいところで不具合が生じてきます。
「消費税還元セール」においても、消費税が上がった後は、消費者の財布のひもは固くなります。そこで、下請け会社の協力を取り付けることなく、小売店で売上を伸ばすための方策をとる必要に迫られます。そうした場合に、人件費で調整しようということになり、従業員にしわ寄せがいくようになる可能性もあります。さらに、売上が伸びず小売会社の仕入れが減り、下請けの会社の売上が下がったりするようなことも起きてきます。そいういった問題など、細かな問題が生まれてきます。
なかなかかじ取りは難しいですね。