いまこのときが大切

日々気になったこと、興味を持ったことを綴っています。

周回遅れ。原発の安全とエネルギーと金融

6月25日の日経新聞の社説は、「新基準を第一歩に原発の安全を競え」でした。

7月8日に施行される「原子力規制委員会原子力発電所の新規制基準」を受けての記事でした。

さーっとしか読んでいませんが。次のよう文がありました。

 

「日本原子力産業協会の服部拓也理事長はスロバキア原発を訪れて驚いたという。過酷事故対策を完了、事故時に50人が5日間たてこもって対処する第2制御室も備えていた。日本ではこれからだ。

 日本の原発の安全確保は世界水準から周回遅れだ。電力会社も規制当局も「安全神話」に慢心し必要な努力を怠った。加えて日本は地震など自然 災害のリスクが欧米より大きい。電力各社には規制基準を満たしたうえで、さらに高い水準を目指し互いに安全を競い合う前向きな姿勢が求められる。」

 
 日本で原発は安全だといいながらも、安全面のきじゅでは、世界基準からすると遅れていたということでしょう。それを今まで続けていたことになります。日本は原子力爆弾が、広島•長崎という都会に投下され多くの人の命を奪い苦しめ多大な被害にあった経験を持つ国です。そして、原子力については、日本の世論も政治もとても過敏になっていました。しかし、原発が日本で初めて稼働してから、次から次へと原発作られました。これが、日本の経済成長を推進したことは否めません。そのため、成長一本槍の政府は原発は安全だと国民に信じさせ、2011年まで来ました。そして、2011年に起きたことは・・・。

福島原発事故は、日本の原発の安全確保の姿勢が、周回遅れであったことを物語っています。何周も遅れているのでしょう。今でも。
日本原子力産業協会の服部拓也理事長が、海外の様子を見ておどろいているのですから。
さらに、遅れは、アメリカの事情をみると決定的でした。
電力の自由化が進むアメリカでは、シェールのこともあって、火力発電の電力が安価になり原発の電力では価格競争勝てなくなってしまったようです。高くて電力売ることができず動かすことができない原発があるようです。
アメリカではいくつもの原発の廃炉にされているようです。この廃炉にはアメリカでも、相当コストかかるようです。アメリカでは砂漠などに埋めているようです。国土の狭い日本では廃炉にもっとかかるのではないかといっていました。原発の最先端を行っていたアメリカの電力の最先端の状況でしょうね。報道ステーションで紹介していました。今後、火力発電のコスト、シェールガスの輸入で火力発電のコストが下がると同じようなことが起きるのでしょう。昨日、今国会で廃案が決まった電事法次第ですが。

 
エネルギー関連でも周回遅れはまだあります。再生可能エネルギーです。
昨年の7月に固定価格買取制度が施行され、日本では今や多くの太陽光発電が建設されています。
日本は太陽光発電の導入は早く、2004年までは、太陽光発電の普及状況では世界一でした。2005年にはドイツやスペインに追い越されました。日本の普及が鈍化したのは、2005年に補助金制度が終了したためです。その間にドイツやスペインでは太陽光発電が普及しました。日本は、2009年に再度補助金制度が復活して、太陽光発電の普及に再び火がつき始めました。しかし、海外では、太陽光発電を含め再生可能エネルギーの買取量の増加により、利用者が負担する賦課金が相当大きくなり問題になっていました。どうしようかという議論が出始めてきている時期でした。それを知りながらもその道を日本も進もうとしています。
この場合は、うさぎとカメの競争みたいなもので、うさぎの日本が途中で寝てしまったのでしょうね。

日本はエネルギー政策においての分岐路に立っているのだと思います。

地球温暖化の話を最近耳にしなくなりました。化石燃料が温暖化に関係なかったということなのか、アメリカのシェールガス革命で天然ガスが安くなる傾向にあるためか原発が稼働していないせいなのか、どうかわかりません。地球温暖化のことは、どこへ行ったのでしょう。
エネルギーは、安全と環境、ひいては国民の健康のためにも、化石燃料などの枯渇エネルギーより再生可能エネルギーに頼る方向に向かった方が日本の将来のためにもいいのかなと思います。電気代が上がることは確実ですが、それを克服して日本独自のエネルギー政策を行うことで、周回遅れを挽回出できるかもしれません。
 
先を走るのは、リスクが大きいです。後からついていく方がメリットが大きいことがよくあります。しかし、あまり後ろ過ぎて周回遅れになると、どうなのでしょう。ただ、安全に関しては周回遅れになってほしくないですね。


エネルギー以外にも周回遅れは、まだあります。
金融緩和。これも周回遅れです。アメリカでは量的金融緩和の出口戦略の話が出回っています。その数カ月前に、大胆な欧米なみの緊急緩和に踏み切った日本。状況としては、広場に遊びに行ったら、みんな帰り仕度をしていというような感じかもしれません。入ってきた人と出ようとする人が同席することになったので、市場も乱高下するボラティリティが高いといわるような状況になったのではないかと思います。
ただ、量的緩和が本当によかったのかどうかは、わかりません。一種の劇薬ですから、あとあと大きな影響をおよぼす可能性はると思います。