特急「くろしお」
新宮へ年に何度もいく。
これはもう10年ぐらい続いている。
新宮へ行くときは多くの場合、特急「くろしお」を利用する。
そして、そんな時は場合日帰りが多い。
行くときは、
7時33分新大阪発で12時前に新宮駅に着く「くろしお1号」に乗る。
帰りは、17時55分新宮駅発22時06分着の「くろしお」で大阪に帰る。
1日8時間以上「くろしお」に乗っていたことになる。
今年の3月17日のダイアや改正で「くろしお」ダイヤにも変更があった。
新宮発の列車が一本減る。7本だったのが6本に減る。
最終が「くろしお36号」になり、出発時間が少し早くなり17時44分と11分早くなる。
↓「くろしお34号」白浜駅にて
しかし、「くろしお36号」が新宮発最終となる、上下18往復と増えるが、白浜-新宮間は7往復から6往復に減る。
あまり人乗っていないから仕方ない。
このようにJRのダイアや改正で「くろしお」のダイアも変化する。
しかし、実際に乗っていると、ダイヤ変更以外の変化を感じることがある。
「くろしお」も、かつては車内販売があった。それが出張の一つの楽しみでもあった。旅情を感じさせもしてくれた。
車内販売サービス区間も新宮駅からだった。
それが紀伊田辺駅からになり、
そしてなくなった。
新宮駅には駅弁もあったようだ。
「めはり寿司」や「クジラ弁当」。
今は、あったことさえ思わせるものはない。
さらに、長距離列車にはある自動販売機すらも今はない。
「くろしお」は特急でありながら、人を運ぶ貨物車のようになった。都市近郊電車と変わらなくなってしまった。
↓終電間際の新宮駅
よく利用する新宮駅も変わった。駅本来の目的であるただ列車に乗るだけの駅になってしまった。それはそれでいいのかもしれない。
駅の待合室で待つことをしたくなくなるような駅になってしまった。
かつては、駅の二階に喫茶店があり、出発までの時間つぶしができた。
今はそこへ上がる螺旋階段も取り外され、跡形もない。
↓この辺り螺旋階段があったように思う。
さらに、一階には立ち食いうどん屋もあった。
これはホームからも改札の外からも利用できた。
今思えば、それなりに活気があったように思う。
今は、安普請の白い板で封をされた様子で、ハンバーガーと飲料の自動販売機と銀行のATMがある。その前に背もたれのない腰掛けがあるだけ。無機質な感じだ。長く居たいと思わない。
↓ドアの向こうが待合室。
さらに、今は、KiOSKも無くなりそうな雰囲気がある。
駅の横にローソンができた。それまで駅周辺にはコンビニのような店は一切なかった。車内販売ないくろしおに乗るのにドリンクやビールなどを買えたのは唯一KIOSKだけだった。その影響か今回行った時、なんとなく品揃えが減ったような感じがした。
写真を撮った時間は、終電間際の22時過ぎごろ。
この時間、駅前に客待ちのタクシーはあったが、それ以外に人影はなかった。
ウィキペディアにあった利用者数の変動を見ると2015年は2005年より2割ほど減っている。今はもっと減っているだろう。
利用者が減ったから、車内販売も食堂もうどん屋も撤退していったのだろう。
そうして、利用者減るとどんどん余分と思われるものが削ぎ取られた結果。
改正とともに、無駄と思われるものが削られる。
「減るスパイラル」一般的に「負のスパイラル」と言うのかな?
人が便利な都会に集まりすぎ、地方は高齢化した結果だろうか?
車の利用が多い土地だからでもあると思える。
今は、乗る人、降りる人、見送る人、迎える人が通りすぎりだけの駅になってしまった。
駅はそれでよいのかもしれないが、
駅には、旅立つ人を送り、旅人を迎える雰囲気を持ったものがあったように思う。
それが、観光の売りの一つになるのではないかと思う。
数字だけで考えるとこうなるのかもしれないが、
それだけで、良いのだろうかと思いう。
残念だが、時代の趨勢かな。