先日ご紹介した書籍「中国が普通の大国になる日」に次のような項目がありました。
「『ロマンチスト+リアリスト』がトップの理想」です。
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ロマンチストというと夢を見る人、
毎日、夢を見て暮らしている。
そんなイメージを持ちます。
政治の世界でも、ロマンチストといわれる人がいるようです。
歴代の中国のトップはロマンチストとリアリストの組み合わせがあったようです。
例えば、
トップ:毛沢東(ロマンチスト)+ナンバーツー:周恩来(リアリスト)
トップ:江沢民(ロマンチスト)+ナンバーツー:朱鎔基(リアリスト)
中国もこの組み合わせの時が、最も機能的に政治がワークしていたようだそうです。
「理想主義者は、国民に夢を与えることができる。国民も、明日の自分たちの生活が、少なくともいまよりもよくなるという期待を持つ事ができなければ、その指導者についていこうとはしない、だから、ワンバーワンは常に高い理想を掲げ、国民を鼓舞できる人でないとつとまらない」
そしてナンバーツーになる人は、徹底した実務主義者でなければならい。トップが理想主義者で、ナンバーツーまで同じ理想主義だったら、実務が進まなくなってしまう。したがって、仕事を一つひとつ片付けていく人が求められる。毛沢東政権でのナンバーツーだった周恩来は、まさに実務主義者の鏡だった。
組織のトップはやはり組織全員に夢を持たせて、
そして組織の結束力を固め、目的に向かって進もうする動機づけをするができる人である必要があるでしょうね。
まさに、理想主義者で、大きな共感できる夢を語って人の心を惹き付けることができる人が最適でしょう。
そしてそのトップをフォローするナンバーツーは、トップの語る「夢」を実現させるために実務に集中する。
トップとナンバーツーが上手く連携することで、人を惹き付けつつ、目的に向かってすすんでいくことができるのでしょう。
同じく先日紹介した「のぼうの城」での石田三成がまさに秀吉のナンバーツーだったのではないかと思います。
三成は事務方として素晴らしい能力を発揮しました。
三成以外にも秀吉は各部門で優秀な事務方をそろえていました。
それを見極める慧眼があって秀吉は天下を取る事ができたのでしょう。
三成については、
朝鮮出兵で兵を引くときの用船を効率を上げ、多くの兵士を早く引き上げさせる事ができたという話を聞いた事があります。
他にも事務方としてバリバリとやっていたようです。
その結果、武闘派はとは意見が相容れず、
福島正則や加藤清正からウザく思われるようになりました。
ただ、三成の失敗は、この本でも書かれているのですが、事務方での仕事に満足せず「武功」を立てる事を望みました。
そうした三成の事務方だけでおさまりたくないという気持ちが、
秀吉の死後の「関ヶ原」に繋がってく一つの要因になったのではないかと思います。
話は戻りますが、
中国で今のトップ「胡錦濤」と「温家宝」についてはどう評価かというと、
トップ「胡錦濤」はペシミスト
ナンバーツー「温家宝」はロマンチスト
という評価を下しています。
この組み合わせは、政権を引き継いでいく分には問題ないのでしょうが、
国民を惹き付けて、進めていくという点はすこし劣るのかもしれませんね。
日本でも小泉首相の時のナンバーツーが武部さんでした。
この二人も、ロマンチストとリアリストだったようです。
このときに、日本は随分変化しましたね。
今の日本の政治家でロマンチストというと、橋下さんと石原さんでしょうか?
民主党や自民党には見当たらないような感じですね。