「日南の限りを行て、日の短きの至りなれば也」
明日、12月21日は冬至です。
冬の底の日。
短日が極まる日。
一年のうちで昼が一番短い日です。
宮城谷昌光さんの「重耳」という春秋時代の晋という国を題材にした小説があります。
何年か前に、中国のこの時代の面白さに、宮城谷昌光さんのを読みあさりました。
「重耳」は2、3度読みました。
この「重耳」の中の
重耳の祖父であり国の王が跡継ぎのことを考え、孫の重耳に問いかけたくだりが、
頭の中にずっと残っています。
王は重耳問いかけます。
「重(ちょう)よ。わしは迷っている。なにゆえか、わかるか」
それに対して、重耳は「短日でございます」と答えました。
短日とは冬で一番日が短い日、すなわち「冬至」のことです。
祖父は重耳が何をいっているのか分からず、
意味不明な事をいう、凡庸な孫かと思ったとき。
重耳はこう言葉を続けました。
「その短日が、今日、極まりましたので、陰と陽とが争い、それにより、さまざまな生物が蕩きはじめたせいで、人の考えも定まりません。」と答えたそうです。
冬至とは陰の気が尽き、陽の気を生ずる、そのさかい目であり「一陽来復」もおなじことをいう。
冬至は、これから上り坂に向かう入り口のような日です。
この日以降、徐々に昼が長くなっていき、一歩ずつ春に向かっていく入り口、
それが冬至です。
この日以降は
春に向かって進み始めるという感じがいいですね。
今の為替の円安、円高も陰と陽とが争っているのかもしれませんね。
良いようになっていくといいですね。