いまこのときが大切

日々気になったこと、興味を持ったことを綴っています。

想像力 「想定外」をなくすために。

阪急百貨店前のコンコース。
高い天井にイルミネーションが飾られていました。
かつてはこの辺りは、阪急電車の乗り場がありました。
f:id:m3785com:20131219182024j:plain
 
阪急百貨店のショウウィンドウもクリスマスの飾り付けがされていました。
f:id:m3785com:20131219182401j:plain
 
f:id:m3785com:20131219182426j:plain
 
f:id:m3785com:20131219182443j:plain
 
★ここから本文です。約3300文字程あります。ちょっと長いです。(笑)★
 
「いつか天が落ち、地が崩落して身の置き所が無くなってしまうのではないだろうか」と心配して食事ものどが通らなかった人がいました。
2,000年以上も前の中国。春秋戦国時代の話です。
この時代に「杞」という国がありました。その国の人の話です。宮城谷昌光氏の「晏子」の中でもでも触れられています。
実際に「杞」という国についての史料は多くないようですので。
実話かどうかもわかりませんが、この話から「杞憂」という言葉がうまれたようです。
この話は「烈子」に書かれているようです。
「天が落ちてこないか」ということは、今の人は思いもしない事です。
しかし、その当時の中国では「中国では昔、大地は正方形で、四隅を天柱という柱が支えていると考えられていた」ようです。
「杞」の国の人は想像力が豊かだったのでしょうね。
「杞」の人にかぎらず、古代の人は空はどうなっているのか大変興味を持っていたと思います。
想像して、「大地は正方形で、四隅を天柱という柱」という話になったのでしょう。
空についての想像は、他にもあります。星座です。今は夜空の星をまとめて、星座として名前をつけています。
 
 「想像」は自由です。
「杞」の国の人のように悪いことを想像する人、ネガティブな想像力。
いいことを想像する人。ポジティブな想像力があるように思います。
さまざまです。
 
「想像」することは、人間に与えられた能力です。
 
外出する時、服を選びながら、自分が人にどう見られるか想像したり、プレゼントやお土産を買う時に、相手のどんな反応をするか想像したり、企画書を作成してクライアントがどんな反応するか想像したり、人は日々なにかを想像していると思います。
こんな私でも、子供たちにお土産を買って帰る日には、子供たちが喜ぶ顔を想像したりします。
 
今読んでいる本が「一流の想像力」という本です。
とてもゆっくりのペースで読んでいます。(笑)
 
著者は、リッツカールトンに深くかかわっていたようです。
リッツカールトンと言えば、1カ月ほどまえの食品偽装の記事にも名前が出ていました。

 ただ、

リッツカールトンには、他のホテルとは違った印象を持っています。誰からか聞いた話がそのまま印象になって残っているのかも。
実のところ、泊まったことも行った事もありません。
他のホテルにも色々なサービスの話はあるとは思いますが、リッツカールトンは、深夜プールを閉めた後も要望があれば、担当の判断で開けたりするような、お客様のわがままをわりと聞いてくれるところのようです。

リッツ・カールトンならではの従業員への大幅な意思決定の権限委譲である。

「たとえば夜中の1時にプールに入りたいというお客様がいらっしゃれば、従業員は上司の許可をとらずにプールを開けることができます。閉店後のレストランでも同じです。

これは東京に限らず、リッツ・カールトン・グループ全体に共通していることですが、『お客様の喜ぶことであれば、すべての従業員が上司の承認を得ずして行動してよい』という文化が我々にはあるんです。

なぜ「レストラン閉店後の利用」にも応じるのか -ザ・リッツ・カールトン東京 プロファイル営業術:PRESIDENT Online - プレジデント

 

著者は、多くのホテルで働いた経験と、リッツカールトンで得た経験から「想像力」の必要性を思い書いた本の一冊がこの本だったのだと思います。

こうしたお客さんの要望は想定内だということをこの本はいっています。
東日本大震災の折も、ホテルの喫茶室の従業員は、大きな地震のゆれにも動ぜず接客を続け、おびえるお客さんには安心を与えてたそうです。もし、従業員が動揺しするとお客さん達の間に動揺がひろがちょっとしたパニックに陥り怪我をする人が出たかもしれません。

当然、授業員も大きな地震の揺れは怖かったようですが、自分が動揺したときに起こる事、自分が動揺しないことでお客さんあたえることができる安心感を想像できる教育を受けていたのでしょうね。

 リッツカールトンが分類されるホテル業は、サービス業のなかでも、もっとも接客という「モノ」ではないことが大きな要因になる業界の一つでしょう。
安い、立地だけで売っているホテルもあるかと思います。
飲食業にも、牛丼店と高級レストランの違いのようなものでしょう。

 

お客さんが喜ぶこと想像して、お客さんをもてなすこと考える。
そのためにお客さんになにをすればよろこぶかを想像することが大切ということです。
いろいろなお客さんがやって来るホテルで想定外をなくすことは大変難しいことでしょうが、必要なことなのでしょうね。

「想像力」は、サービス業以外でも大変重要な要因であると思います。その例として、本にはつぎのような問いかけと読者にしています。

今、中近東をはじめとするイスラム圏内では、日本製ではく、韓国の大手家電企業のテレビが売れているそうです。なぜだと思いますか?

 なぜだと思います。「円高」は関係ないようです。

今、アフリカで売れているのが、やはり韓国製のエアコンです。ちなみに日本製は、韓国製と比べて、エアコンとしての性能や品質にはまったく差がありません。でも売れないということです。なぜだと思いますか?

 なぜだと思います。「円高」は関係ないようです。

答えは、本書に書かれていますが。概略すると「想像力」がないということを伝えるための例示です。 

日本の場合は、技術力が高く、いいものを作ります。
技術開発については、「創造力」があると思います。

しかし、「想像力」がないのかもしれませんね。

「想像力」のない「創造力」は、受け入れられない素晴らしい「モノ」を作るということなのかなと思いました。(笑)

同時に、これが、日本に長くはびこっているデフレと呼ばれている「モノが売れないという現象」の原因かなとも思いました。

決して「円高」だけが、「モノが売れない」原因ではないと思います。

アベノミクスで一生懸命に円安にしても、結果、貿易赤字がつづき、10月にとうとう経常赤字になりました。

そして、11月も貿易赤字のようです。17ヶ月連続の貿易赤字です。
安倍政権発足からもずっとということになりますね。(笑)
特に11月として過去最高の悪さのようです。

これが続くと、経常赤字が常態化して、日本からお金が出てるばかりになるので、日本の国債は海外に依存しないといけなくなります。
借金できるところの資金量が落ちて来ているのですから、足らない分はだ新しい借り入れ先を探さざるとえません。
その借入先の第一候補が、「中国」という話を聞いたことがあります。

 そうなったら、どうなるか想像できますね。(笑)

いま「想像力」より多くのビジネスマンが気にしているものに「洞察力」があります。

同じような感じがしますが、

「想像力」と「洞察力」は同じようで違います。
「洞察力」はモノの本質を見極めることで、本質がわかっても、そこから、それをどう行動をおこすかが、想像力だと思います。

極言になりますが、「洞察力」はモノのことを考えること、
「想像力」ポジティブな想像力は人のことを考えること、ではないかなと思いました。

日本人は、洞察力は一生懸命に鍛錬しているようですが、想像力が徐々に退化していっているのかもしれませんね。

本日、辞任を発表した知事さんも、自分を「政治家のアマだった」と反省しているようですが、あのようなことをすれば、普通の人でも、こうなることがある程度は想像できると思います。
ニュースを見ていると、そいうことを想像できない人が増えているのでしょうね。
その分「想定外」が増えているのかもしれません。

 日本は、今、「想定外」が増殖しやすい土壌になりつつあるのかもしれません。
人生は不確定です、リスクを回避して生きていくためには、ポジティブな「想像力」を鍛え「想定外」に備えるべきでしょうね。
「杞」の人のようにネガティブな想像力に溺れないようにしないといけませんけど。(笑)

 

一流の想像力 (PHPビジネス新書)

一流の想像力 (PHPビジネス新書)