大阪に住んで半世紀を超えています。
長く住んでいるだけでどれだけ大阪の事を知っているのかなと、ふと思うことがあります。
串カツ屋の大将と話ていると、大阪市西区のあたりがどんなだったかを教えてくれます。
子供の頃大阪市西区に隣接する港区に住んでおり、よく西区の九条の市場に遊びに行きました。今の会社は西区にあり、近所には、子供頃見た景色がまだ、残っています。
そんな大将の話を聞きながら、子供頃、連れられていってもらった大阪の情景を思うかべたりします。
子供の頃連れて行ってもらった場所の情感は、
いまだに懐かしさと一緒に記憶に残っています。
懐古趣味なのかもしれません。
子供頃からすると、大阪は随分と変わりました。
これでもか、というくらい昔を消していっているようです。
消しゴムで紙がしわくちゃになるほど消すような感じに思えます。
どんどん斬新なデザインの素晴らしい清潔感ある建物に変わっていっています。
しかし、
このデザインが何年先まで「いいね!」と思えるのかと思います。
同時に昔はどんなんだったかなと、
昔の様を回顧したいという気持ちが強くなってきます。
書店に行くと、大阪の昔の写真などが載っている書籍を目にします。
それを手にとって、懐かしさと
同時に大きく変わったなと感心しながらページをくり、
見知った写真などがでると、ついつい見入っていまいます。
何度か見ているうちに、大阪についてもっと知りたいなという気持ちが膨らんできました。
成人の日、突然思い立って、大阪の本を探してみようとかと紀伊国屋梅田本店に。
紀伊国屋書店に行って意外に思ったのが、大阪に関する本が少ないことでした。
同じ棚にある神戸や京都の本とあまり変わらないくらいです。
少ない書籍の中で
一番目を引いたのは、
「阪急京都線・千里線 街と駅の1世紀」でした。
阪急京都線や千里線の駅や周辺の今昔の写真や古地図と解説が載っています。
この本には、阪急梅田駅が百貨店の近くにあった時の写真。
昭和28年の大阪駅・梅田駅周辺の空撮写真などがありました。
今の大阪駅前ビルやヒルトンホテルのあたりには瓦屋根が密集、
今の阪急梅田駅のところも同じでした。
ページをめくって各駅の写真を見ていて思ったのが、
昔の駅は周辺の写真の方が味があるなと感じがします。
今の駅や周辺の写真は見た目には、整ってい清潔感はありますが、
味気ない無菌室のような感じがします。
私の近くにある阪急三国駅はその最たるものかなと思います。
新しい駅は、自動車にとっては便利な、人にとってはちょっと不便な駅。
私が知っている三国駅は、下の写真のように上りホームが改札を出てすぐという小さな駅でした。
↓現三国駅に掲示されている写真を撮りました。
新しい駅には大きなロータリーができて、駅へは階段を上がっていかないといけません。
前の三国駅は、小さな駅でしたが、親しみを感じています。
思い出もあります。
もう一度見たくて、
今日、「阪急宝塚線・能勢電鉄: 街と駅の1世紀 」をアマゾンで買いました。
届くのが楽しみです。
もう一冊買いました。
「かくれスポット大阪」
この本では大阪市内の
道頓堀、日本橋、千日前、新世界、釜ヶ崎、飛田、梅田、京橋、天神橋などのことが、地図で所在を示しつつ紹介されていました。
まだ読み始めたばかりです。
巻頭の地図を見ると、
今、大阪で一番の繁華街の大阪駅や阪急阪神の梅田は、昔の大阪の外れにあります。
そして、梅田には墓地があったようです。
確か、
梅田は「埋めた」と言われていたと聞いたことがあります。
まさに、墓地があったことをイメージされられます。
大阪駅ができる時も、火を使う汽車を怖がれて駅は大阪の外れに作られたと聞いたことがあります。
千日前も墓地があったそうです。
千日前は、千日前ホテルの大惨事があって、そんな思いがあってか、千日前の雰囲気は、すぐ近くの道頓堀、法善寺、なんばとは違ったものを感じます。
大阪は、派手なように思われがちですが、
この本を読んでいると、実際はそうでもないような問題を抱えていたようです。
大阪の歴史が垣間見れます。
地図を見ながら読み進むと、それぞれの違った特徴を持つエリアとの位置関係がわかり、その変遷をイメージすることができます。
その時代と場所に思いを馳せたりします。
やはり懐古趣味なのでしょうか?
今、今を懐かしむための準備もしています。
今回、買った阪急電車の本も数十年後には懐かしいものになるでしょうし。
今、気が向いたときに撮っている下手で無味乾燥な写真も、
何十年後には、この場所はどうなっているかなと思いつつ、
そして、懐かしく見る事になるかなと思いつつ、撮っています。(笑)
歴史好きですが、こうした昔を振り返るのも大好きです。
これは、懐古趣味かな、歴史好きなのかな、どちらでしょう?