いまこのときが大切

日々気になったこと、興味を持ったことを綴っています。

人の堰   祇園祭 2017

京都によく行くが、まともに祇園祭山鉾巡行を見たことがない。

数度ちょい見程度はある。

相当の混雑が想像できるので、あまり行く気になれなかった。

観光客ばかりの印象がある。

 

数年前に仕事で、京都に行ったときに

仕事の前に、鉾の辻回しを見たことがある。

その程度で、まともに見たことがない。

今年は、人混み覚悟決死の覚悟で行くつもりだったが。

朝起きれず

時間をずらして京都に行くことになった。

9時から巡行が始まる。

10時半過ぎぐらいに京都烏丸についた。

山鉾が巡行して戻っ来るのが見れるかと思った。

それが、着いた時、

まだ巡行の最後の鉾が四条烏丸を通り過ぎたばかりだった。

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山鉾がもとの場所に戻ってくるまで、時間がかかりそう。

最後の鉾「船鉾」についてしばらく歩いた。

山鉾は、四条通りを河原町へ、進んだり止まったり。

山鉾が渋滞しているようだ。

四条河原町で辻回し待ちもの影響もあるのだろう。

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ひととおり見たので、

一旦、四条烏丸に戻った。

山鉾が出払った後の四条烏丸あたりは、静かになっていた。

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 山鉾巡行の先頭は11時半頃、御池新町まで行って、多くが新町通りを通って四条通りに戻ってくるようだ。

四条通りに戻ってくる時間が近づいたのか? 

人が増えて来た。

新町通りは通行止。

黄色い「通行止」と書かれたテープが通りの入り口いっぱいに張られていた。

徐々に規制が厳しくなって、

新町通りや四条通りを横断することができなくなっていく。

四条通りの歩道は四条新町交差点で堰留め。

しかし、人の流れは四条新町の交差点に向かい、人が集まってくる。

新町通りで止められた人波は行き場を失い、詰まるばかりだ。

徐々に、身動きが取れなくなる。

一番に長刀鉾が帰って来た。
その頃はまだ、ましだった。

時間が経つにつれ、人混みが詰まり始めた。

 

 

前に進めず。

前に進もうと動きが出てもビクともしない。

「前、通通行止」と聞こえた。

後ろに下ろうと。

振り向くと人の壁。固そう。

大きなキャリーバッグや人の壁が行き場を塞ぐ。

左は店舗。しかりと戸締りされている。

右は車道。出ようものなら警察が飛んで来て、戻される。

閉じ込められた。

埋められた。

  

長刀鉾を皮切りに、次から次へと鉾が四条新町交差点に帰ってくる。

通行止は解消しそうにない。

 

四条通りに帰って来ても、すんなり通りすぎてくれない。

四条新町で辻回しをする。

辻回しも大変で一回で90度回転することはない。2回ぐらいする。

その度に、細く切った竹を車輪の下に引き込む作業をし水をまく。

竹の上滑らせて回転させる。

引き手の息を合わせて、せーので引く。

鉾は約45度くるっと回る。

時間がかかる。

鉾を引く人もみんな疲れている。

安全のためにも時間がかかる。

10分以上かかるかな。

 

その間にも 

人混みは、どんどん詰まっていく。

この人混みを見て、警察の人がマイクでしんどい人はいませんかと車道から声をかけていた。

 

近くにいた欧米からの来たと思われる女性、背が低く、人の中埋もれてるようだった。

彼女から見えるのは人の背中ばかりだったろう。
このあたりは、人の息や体温や湿気でムシムシ。

この状況で息苦しくなって来たようだ。

苦しそうな息が聞こえる。

そして、息が徐々に大きく早くなっていった。

パニックか?

今にも倒れるのではないかと気になった。

やばそうだった。

日本語がわかるようなので、「アッチに行き」と車道の方へ行くように進めてあげた。

車道に出れば救助してもらえる。

通してあげるように近くの人に声をかけた。

その人は、車道に出て警察に救助された。

他にも、小さい子供連れの人も救助されていた。

いつ終わるかわからないこの身動きがが取れない状況、普段人混みを避けていた自分も息苦しく、心なしか心臓も苦しく感じてきた。

「やばい」と思った。

前でも横でも後ろでも、早く流れて欲しいと思った。

ここで一句。

 

人の堰

流れを乞うも

夏祭。

 

 

↓辻回し