主人公は豊臣秀吉と弟の秀長。
2024年3月12日に制作が発表され、主演を仲野太賀、脚本を連続テレビ小説『おちょやん』などを手掛けた八津弘幸が担当することが発表された[1]。(ウィキペディア「豊臣兄弟!」より)
弟の秀長の目線から物語が展開するようだ。
戦国時代の小説やドラマはたくさんあるが、豊臣秀長の名前を聞くことはほとんどない。
また、豊臣秀長を主人公にした小説も秀吉や信長・家康・官兵衛にくらべてはるかに少ないだろう。
そもそも、豊臣秀長のことを中心に書いた古文書がないようだ。
戦国大名のこをと書いた古文書に出てくる程度のようだ。
大河ドラマの話を聞いて、久々に秀長に関する本を読もうと思った。
かつて、「豊臣秀長」を読んだ。
そして、今回は、堺屋太一さんの「豊臣秀長ある補佐役の生涯」を読んだ。
この本と上で紹介した書籍が、NHK大河ドラマの原作というわけではないと思う。
ずっと以前から、もし、秀長が秀吉より長生きしていればどうなっていただろうと思っていた。
歴史に、「もしも」はないと言うが、
今ある歴史が、本当か?時々歴史が変わることがある。
秀長が秀吉より長生きしたら、
家康が豊臣政権を簒奪することはできなかったかもしれない。
関ケ原のような状況になったとき、豊臣秀長には、福島、黒田、加藤などは豊臣側に付くことになるだろうし、秀長に恩義のある大名たちが集まってくるだろう。
秀長に恩義を感じている人は多かった。
秀長であれば、関ケ原で戦いはしないかっただろう。
目立たないが、それほど、豊臣政権にとっては重要人物だった。
秀吉にとって唯一血の繋がった人物だ。
それだけではない。
血の繋がったというだけなら、いい面だけではない。
現実問題、相続になると血の繋がった兄弟姉妹が、ドロドロした関係になることもある。
戦国時代でも兄弟の争いはあった。
秀吉の主君織田信長もそうだった。
弟と争った。
秀吉がラッキーだったのは、弟が秀長だったことかもしれない。
普通の大名の補佐役の兄弟という以上のことをした。
秀長が、補佐役に徹し生え抜きに家臣のいない家臣団をまとめさらには、家臣からも認められるような成果を出すように自己研鑽をした。
内政だけでなく、戰もそこそこ成果を上げた。
ひとり、何役もこなした。
秀吉の金を頓着なく使うのに比べ、倹約家で。
大和大納言なった頃には相当財を貯めたようだ。
それを、貴族や武士たちに貸したそうだ。
秀吉の家臣団でも、一目置かれ、秀吉に言いにくいことを秀長に相談するなど。
豊臣政権にとっては、欠かさざる存在になっただろう。
秀長がいなければ、織田信長の家臣の中でも秀吉は昇進はできず、歴史の中に埋もれていたかもしれない。
秀吉が天下を取れたのも、秀長の存在は大きかったと思う。
この本は、秀長が主人だから、秀長を持ち上げているところがあるかもしれない。
「豊臣秀長ある補佐役の生涯」は堺屋太一さんが買いただけあって、経営的な視点からも書かれていると思う。
補佐役の面白みと辛さと、補佐役の理想的なあり方を描いた小説ではないだろうかと思う。
豊臣秀長が、今の時代の補佐役の見本になるかというと、そんなことはないと思う。
この小説は、秀長を持ち上げるように書かれたもの。