ちょっと前に「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。」というフレーズがふと頭に浮かび、
本の題名が思い出せませんでした。
青空文庫で漱石の本を探しましたが、どうもヒットしませんでした。
簡単な話、ネット検索すればすぐにわかりました。
最初から検索すれば良かった。
しかし、青空文庫で漱石の作品を見ていると、
「草枕」に行き当たりました。
「草枕」の最初のフレーズも有名です。
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世はt住みにくい。」が最初にあります。
そして
「住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。 人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あればでなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。」
と続きます。
本当に、とかくこの人は住みにくいですね。
人の世では、
気を使ったり、ヤキモキしたり、イライラしたり、ワクワクしたり色々な気持ちになります。
それによって、一日も気分も変わったります。
仕事にも影響が出たりもします。
それなら、いっそのこと、
「住みにくい」もんだと思いながら暮らすことができればいいかもしれませんね。
そうしたら、ちょっとしたことで、気持ちが左右すること減るかもしれません。
住みにくいなら、住みやすいように「住みにくい」さと付き合っていくと、
反対に「住みやすい」になるかもしれませんね。(笑)
でも、人が人と付き合っていく以上、軋轢もあるでしょう。
仕方ない事です。
相手と自分とは違うのですから、
自分の思うようにならないのは当然です。
それなら、
そう思うことで、人を認めたり許せたりするのではないかと思います。
簡単ではないでしょうけど、
そうすれば、少しでもストレスが減らす事ができて、
健康にいいかもしれませんね。
そんな社会になると、多くの人が幸せに暮らせるのかと思うのですが、
人間には大きな「脳」があるので、そうは、問屋がおろさないでしょうね。
人の脳は、勝手にいろいろ考えます。
そして、飽きやすいものです。
現状に満足せず、もっともっとをめざします。
ちょっと前にめざした生活を手入れた人も、手に入ると次をめざし、
今の生活に不満を覚えていきます。
そんな人があつまるから。「とかくこの世は住みにく」のでしょうね。